軽度のワキガの治療法

ワキガの治療法には様々な種類のものがあるため、その症状に合わせた治療法を選択することがとても大切になります。ここでは、軽度なワキガの治療法についてご紹介していきます。

 

塗り薬や飲み薬による治療

 

塩化アルミニウム液(外用薬)

制汗作用と臭いの抑制効果がある塗り薬で、軽度のワキガに対して最もよく処方される薬剤です。一般的には濃度20%のものが処方されることが多いですが、病院によって配合量が異なることもあります。

 

塩化アルミニウム液は、副作用として痒みを生じる場合があります。そのような場合は、ティッシュやコットンなどに液を染み込ませて患部に塗布したり、寝る前に使用して朝起きたら洗い流すなどの対応を取ることになります。また、痒みが強かったり、炎症を伴ったりする場合には処方してもらった皮膚科で使用方法について相談するようにしてください。


 

臭化プロパンテリン(内服薬)

プロパンサインとも呼ばれる抗コリン剤で、汗を出す伝達物質であるアセチルコリンの分泌を抑制し、汗が出るのを抑える効果があります。

 

ただし、副作用として目や口の渇き、尿の出が悪くなるといったものがあるため、継続的な使用は勧めない医師が多いようです。


 

抗不安薬・抗精神薬など(内服薬)

ワキガが原因で強い不安や恐怖心を生じ、日常生活に支障が出ている場合に処方されることがあります。

 

精神面や自律神経に働きかけることで不安を和らげ、精神的なストレスによる発汗を抑制します。

 

ただし、副作用として眠気やふらつきなどの症状が出ることに加え、飲み続けることで副作用のリスクが高まるため、自己判断で服用量を増減させることは絶対に避けてください。


 

注射による治療法

軽度なワキガに非常に効果的とされているのが、ボトックス注射です。

 

ボツリヌス菌の毒から生成した成分を注入することでアセチルコリンの分泌を抑制し、汗の量を抑える効果があります。

 

ボトックス注射は、エクリン汗腺に作用するため多汗症の方や精神性発汗に悩まされている方には非常に効果的です。

 

ワキガの原因であるアポクリン汗腺には直接作用しませんが、汗が蒸発する際の臭いの拡散を抑制したり、汗の量が減って脇の湿度が下がるため常在菌の繁殖が抑制されるて、ワキガによる臭いが軽減されます。

 

ボトックス注射は片側5分程度で済み、注射当日から普段通りの生活を送ることが出来る上に、注射後翌日から効果を実感出来る方も多いため、軽度のワキガに悩まされている方にはメリットの大きな治療法と言えます。

 

デメリットとしては、効果の持続期間が約6か月間ほどのためワキガが再発するリスクがあること、軽度のワキガに対しては保険外診療のため1回当たり5万円から10万円ほどの費用がかかることが挙げられます。

 

塗り薬や飲み薬でなかなか効果が得られないけれど、手術を行うほどではないワキガで悩んでいる方は、治療の選択肢の1つとして医師に相談してみても良いかもしれませんね。

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