腋窩多汗症の治療法

 

腋窩多汗症により病院を受診した場合、どのような治療法があるのかご存知でしょうか。

 

ここでは腋窩多汗症の治療法の種類と病院を受診した際の流れについてご紹介しています。

 

腋窩多汗症で受診することを検討している方は、ぜひ参考にしてみてくださいね。

 

腋窩多汗症の治療法の種類

 

塗り薬

塩化アルミニウムなどの有効成分が含まれている塗り薬を、脇の下に毎日塗布します。

 

効果の出方は比較的ゆっくりで、効果の持続期間も数日間から数週間と短いため、繰り返し使用する必要があります。

 

現在、医薬品として承認されている薬剤はないため、病院や薬局で調合した薬が処方されます。

 

ボツリヌス療法(注射)

ボツリヌス菌が作る天然のタンパク質を有効成分として含んでいる薬剤を、脇の下に注射する治療法です。

 

汗を出す信号は交感神経から出されますが、ボツリヌス療法を行うことでこの信号がブロックされるため、過剰な発汗を抑えることが出来るようになります。

 

効果は治療後2日から3日程度で現れ、約4か月間から9か月間持続すると言われています。

 

治療効果の個人差が大きく、完治は期待出来ないため、症状が再発した際は再び治療を行う必要があります。

 

飲み薬

多汗症の治療薬としては、現在漢方薬や抗コリン薬があります。

 

塗り薬や注射薬に比べて効果が広範囲に及ぶことが特徴的です。

 

腋窩多汗症の診療ガイドラインでは、塗り薬やボツリヌス療法などの治療でも効果が見られない場合や何らかの事情によりこれらの治療を行えない場合に試みるべき治療法と位置づけられています。

 

手術

腋窩多汗症の症状が重く、塗り薬やボツリヌス療法、飲み薬などの他の治療法で治療効果が得られない時に、手術が適応になることがあります。

 

手術の内容は症状により神経を切断する手術などが選択され、内容によって健康保険が適用になることもあります。

 

また、手術を受ける前には、事前に医師から十分な説明を受ける必要があります。

 

その他の治療法

神経ブロック、レーザー療法、イオントフォレーシス(発汗部位を水道水に浸して弱い電流を流し、発汗を抑える治療方法)、精神(心理)療法などがあり、症状に合わせて選択されます。

 

保険が適用される治療方法

(2)ボツリヌス療法、(3)飲み薬、(4)手術が該当します。

 

ただし、症状により適切な治療法が異なりますから、治療費が気になる方はしっかりと医師に相談するようにしてくださいね。

 

腋窩多汗症で病院を受診する際の流れについて

 

腋窩多汗症で病院を受診しようと思ったら、まずは腋窩多汗症の診療を行っているかを事前に確認しておきましょう。

 

腋窩多汗症の治療は、皮膚科や形成外科、麻酔科(ペインクリニックも含む)などで受けることが出来ます。

 

病院が見つかったら電話やインターネットから予約し、予約日に病院に行きましょう。

 

この際、受付で予約していることを告げ、健康保険証は忘れずに持っていくようにしてください。

 

受付の際に問診票を渡されることが多いですが、書くべきポイントが分からない方は以下のポイントを参考に記載するようにすると診察がスムーズになります。

 

腋窩多汗症の診断ポイント
  • 最初に腋窩多汗症の症状が現れ始めた時の年齢
  • 両脇で同じ量の汗をかくのか
  • 脇汗が原因で、日常生活に支障を来しているか
  • 脇汗をかく頻度はどの程度か
  • 家族や親戚の中にも、同じような症状が出ている人がいるか
  • 睡眠中にも脇汗をかくか

 

診察では、問診票をもとに問診や視察が行われ、腋窩多汗症の診断と重症度を判定します。

 

重症度の判定のために発汗量の測定などの検査が行われる場合も多いですので、上着の下はノースリーブなどの袖のない服を着ていくことをお勧めします。

 

診察の結果をもとに、治療法が決定されます。ただし、ボツリヌス療法は15歳未満の方への安全性が確立されていないため、治療を受けられないことがあります。

 

また、15歳以上であっても未成年の場合、治療には保護者の同意が必要になることが多いですから、事前に治療について両親に相談しておくようにしてくださいね。

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