デオドラントとは
夏が近づくとドラッグストアの店頭はデオドラント製品がずらりと並びます。
普段何気なく使っているこの「デオドラント」という言葉ですが、どんな意味でどんな種類があるか知っていますか?
そもそもデオドラントってどういう意味?
英語で書くと「deodorant」。
〈「DE-」低下〉+〈「ODOR」におい〉+〈「-ANT」〜性の〉が混ざった言葉です。
一言で言えば「消臭剤」「防臭剤」全般を指した言葉ですね。
私たちが良く目にする汗やにおい対策の製品は、すべてデオドラント剤というわけです。
デオドラント製品には目的別に大きく分けて3つの種類があります。
- 制汗剤
- 消臭剤
- 殺菌剤
それぞれを詳しく見てみましょう。
制汗剤の利点と欠点とは?
よく見かけるデオドラント製品といえば、まず制汗剤が挙げられます。
一般的なのは、毛細血管を収縮させる成分が入っているものです。
昔からよく使われている「焼きミョウバン」などはこのカテゴリーになります。
また、パウダーなどで汗腺をふさいで汗をせき止めるタイプのものもあり、
どちらも目的はにおいのもとになる汗自体を出にくくすることです。
汗が出なければにおいも出ないので非常に効果的ですが、弱点もあります。
まず、効果を保つためには1日に何度か塗り直しが必要なこと。
効果が長持ちすると宣伝している製品であっても、人によっては持続時間が違います。
汗が出始めてしまえば無意味ですから常に気にしていなくてはならず、手間もかかりますね。
使いすぎにも注意が必要で、汗腺をふさぐことで肌に負担がかかり正常なターンオーバーが阻害されて、においが強くなってしまうという悪影響が出ることもあります。
消臭剤はワキガに有効?
科学的ににおいを吸着・中和するものと、香りでマスキングするものがこの消臭剤に分類されます。
医師の間では、どちらも体臭を覆い隠すには不向きという意見が多数を占めます。
体臭は人によってかなり違いがあり、すべてを中和することは不可能ですし、
香りを付ける製品はむしろ体臭と混ざって悪臭を強くしてしまう可能性があります。
制汗剤や殺菌剤がメインの製品でも、香りが強過ぎるものは使わない方が良い場合が多いのです。
殺菌剤は安全なの?
皮脂や汗を分解する菌を殺してしまえば、においが発生することはありません。
この無菌状態を作り出すのが殺菌剤の目的です。
殺菌剤には様々な薬剤が使用されており、その違いが製品の特徴となっています。
最近では銀を含有するゼオライトの製品も多く出回っていて人気になっていますね。
殺菌剤の安全性については、医師の多くが使いすぎによる悪影響を指摘しています。
腋の下はとてもデリケートで鋭敏な部分なので、薬剤による皮膚炎や乾皮症が出やすいのです。
赤み、かぶれ、痒みのほかに、ひどいと肌が黒ずんでしまうこともあるそうです。
特に敏感肌の人は、殺菌力が強すぎる製品には注意が必要です。
また、薬剤によって表皮菌を殺したとしても、服や空気から常に菌が付着しますから、持続性の点でも完全というわけではありません。
まとめ
デオドラント剤の目的別にそれぞれの特徴をまとめてみました。こうしてみてくると、どれも今一つ効果が薄いように感じられてしまいましたか?
確かに体臭、特にワキガなどの強いにおいを完全に消してしまうには不十分ですし、こまめな付け直しが必要な製品が多いのは事実です。でも、それほど強くない臭いであれば充分にケアできますから、自分の目的に合わせて必要な製品を選ぶ目安にしてみてください。
強い体臭や多汗症に悩んでいるなら、デオドラント剤に頼らずに医師に相談することも考えましょう。
長年毎日毎日デオドラント剤を使い続けることを考えれば、根本から治療する意味は大きいはずですよ。
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